ペッパーズゴーストとは?仕組み・原理をわかりやすく解説|ファン型3Dホログラムとの違い
ペッパーズゴーストとは、斜めに置いた透明な板(ガラスやフィルム)に映像や物を映り込ませ、何もない空間に人や物が浮かんで見えるようにする演出方法です。19世紀のイギリスで、舞台に幽霊を登場させる仕掛けとして広まり、紹介した科学者ジョン・ヘンリー・ペッパーの名前から「ペッパーズゴースト(ペッパーの幽霊)」と呼ばれています。
今では、テーマパークのアトラクションや博物館の展示、ステージ演出などで使われ、「ホログラム」と呼ばれることもあります。
ペッパーズゴーストの仕組み
仕組みは、窓ガラスに部屋の中が映り込むのと同じです。
- 観客と舞台のあいだに、透明な板を斜め(おおむね45度)に置きます。
- 観客からは見えない位置(舞台の下や横)に、明るく照らした人や物、または映像を映す画面を置きます。
- その姿が透明な板に映り込み、観客には板の向こうの舞台に浮かんでいるように見えます。
板は透明なので、奥の舞台や背景もそのまま見えます。映り込んだ像と実際の舞台が重なって見えるため、人や物がその場にいるような、あるいは半透明の幽霊のような表現ができます。
原理:なぜ浮かんで見えるのか
透明な板は、光の多くを通しながら、一部を反射します。周りが暗く、映したいものだけが明るいと、反射した像のほうがはっきり見えます。板が斜めに置かれているため、反射した像は板の奥の位置にあるように見えます。
このため、ペッパーズゴーストは周りを暗くすることと、見る方向が正面に限られることが前提になります。横や上から見ると板そのものが見えてしまい、仕掛けがわかってしまいます。
身近な使われ方
- テーマパーク・アトラクション:暗い室内で、幽霊やキャラクターが部屋の中に現れる演出。
- 博物館・展示:ケースの中の展示物に、説明の映像やキャラクターを重ねて見せる演出。
- ステージ・ライブ:舞台の上に人物が登場したように見せる演出。ホログラムライブの仕組みは3Dホログラムライブとは?で紹介しています。
- スマホのホログラム:透明なシートで作ったピラミッド型の台をスマホにのせ、映像を浮かべる工作も、ペッパーズゴーストの考え方を使っています。
ペッパーズゴーストを作ってみるには
小さなものなら、スマホと透明なシート(クリアファイルなど)で作れます。四角すいの台を作り、スマホの画面に4方向の映像を流すと、台の中に映像が浮かんで見えます。手順はホログラムの作り方|スマホで3Dホログラムを自作する5ステップで紹介しています。
人の背丈ほどの大きなものを作る場合は、大きな透明フィルムと、それを斜めに張るフレーム、明るい映像を映す画面やプロジェクター、周りを暗くする工夫が必要になり、設置の規模が大きくなります。
ファン型3Dホログラムとの違い
店頭や展示会でよく使われる「3Dホログラム」には、ペッパーズゴーストのほかに、LEDを並べた羽根を高速で回転させて映像を描くファン型があります。
| 比べるところ | ペッパーズゴースト | ファン型(3D Phantom®など) |
|---|---|---|
| 仕組み | 斜めの透明な板に映像を映り込ませる | 回転するLEDの残像で映像を描く |
| 明るさ | 周りを暗くする必要がある | LEDが直接光るので、明るい店内や展示会場でも見える |
| 見る方向 | 正面が中心 | 正面を中心に、ななめからも見える |
| 設置 | 板・フレーム・映す画面を組む。奥行きのある場所が必要 | 本体を壁や天井、トラスに取り付けるだけ。奥行きをとらない |
| 得意なこと | 人の等身大の演出、暗い空間での幻想的な演出 | 店頭・ショーウィンドウでのアイキャッチ、複数台をつなげた大画面 |
暗くできる劇場やアトラクションで、人物を等身大で見せたいならペッパーズゴーストが向いています。照明のある店頭や展示会で、通りがかった人の目を引きたいならファン型が使いやすい方式です。

明るい展示会場で、ケースなしの65HDU 6台でキャラクターを映した例(TOKYO GAME SHOW 2023)(事例を見る)
ほかの方式もあわせた比較は3Dホログラムの方式比較、ファン型の仕組みは3Dホログラムファンとは?でくわしく解説しています。
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よくある質問
Q. ペッパーズゴーストは本物のホログラムですか?
A. 違います。本来のホログラムは光の干渉を使って立体像を記録・再生する技術で、ペッパーズゴーストは透明な板への映り込みを使う演出方法です。空中に像が浮かんで見えるため、ホログラムと呼ばれることがあります。くわしくはホログラムとは?をご覧ください。
Q. 明るい場所でも使えますか?
A. 周りが明るいと、映り込んだ像が薄くなり見えにくくなります。照明を落とせる場所や、囲いで暗くした空間で使うのが基本です。
Q. スマホのホログラムもペッパーズゴーストですか?
A. 透明なシートで作ったピラミッド型の台にスマホの映像を映り込ませる方法は、ペッパーズゴーストと同じ考え方です。
まとめ
ペッパーズゴーストは、斜めに置いた透明な板に映像を映り込ませ、空間に人や物が浮かんで見えるようにする演出方法です。暗い空間で正面から見せる演出に向いており、テーマパークや舞台で使われています。照明のある店頭や展示会で使うなら、LEDが直接光るファン型の3Dホログラムが向いています。