3Dホログラムの方式比較|ファン型・ペッパーズゴースト・透明LEDなどの違いと選び方
はじめに
「3Dホログラム」と一口にいっても、実はいくつかの違う仕組みがあります。舞台で人物が浮かび上がる演出も、店頭でロゴが宙に浮いて見える看板も、どちらも「3Dホログラム」と呼ばれることがありますが、使っている技術は別物です。
方式によって、得意な大きさ・設置のしやすさ・見え方が違います。この記事では、よく使われる4つの方式を比べて、目的に合った選び方を紹介します。
3Dホログラムの主な方式
イベントや店舗の演出でよく使われるのは、次の4つです。
| 方式 | 仕組み | 得意なこと | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ファン型(回転LED) | LEDを並べた羽根を高速回転させ、光の残像で映像を見せる | 背景が透けて映像だけが浮いて見える。軽く、壁かけ・吊り下げもできる | 回転部分に手が届かないようにする。写真では映像が切れて写ることがある |
| ペッパーズゴースト | 斜めに置いた透明な板やフィルムに映像を反射させる | 人物サイズなど大きな映像を舞台上に浮かべられる | 反射板と映像の投影元を置く広いスペースが要る。見る角度が限られる |
| 透明LED・透過ディスプレイ | すき間のあるLEDパネルやガラス面に映像を映す | 窓ガラスなど大きな面を、外の景色を透かしながら映像で飾れる | 映像は平面。立体感は映像の作り方しだい |
| 水蒸気スクリーン | 霧(水蒸気)の膜に映像を投影する | 手で触れられる、通り抜けられる不思議な体験 | 風に弱く屋外では安定しにくい。水と専用機材が必要 |
なお、どの方式も厳密な意味での「ホログラフィー(光の干渉を使った立体記録)」ではありません。一般的に「3Dホログラム」と呼ばれている、立体的・空中に浮いて見える表示の方式です。
ファン型(回転LED)の特長
ファン型は、LEDが並んだブレードを高速で回転させ、光の残像で空中に映像を描く方式です。回転しているブレードはほとんど見えず、黒い部分は透けて見えるため、背景の上に映像だけが浮いているように見えます。3D Phantom®はこの方式の3Dホログラムディスプレイです。

8台を横に並べ、ロゴや文字を宙に浮かせた例(マルハン上小田井店)(事例を見る)
向いている場面
- 展示会ブースの上部やトラスに取り付けて、遠くからも目立たせたい
- 店頭やカウンターに置いて、ロゴや商品を宙に浮かせたい
- 短期間のイベントで、設置と撤去を手早く済ませたい
知っておきたい注意点
- ブレードが回転するため、手が届く場所ではアクリルケースなどのカバーをつけます。
- カメラで撮ると、シャッターのタイミングによって映像の一部が切れて写ることがあります。肉眼では切れずに見えます。
- 1台あたりの大きさには限りがあるため、大きく見せたいときは複数台をつなげるか、大型モデルを使います。

背面を金網のままにして背景まで透けて見えるようにした看板の例(PAGEBOY イオンモール広島府中店)(事例を見る)
上の事例では、手が触れないよう前面にアクリルケースをつけつつ、裏側は金網のままにして背景が透けるように設置しています。ファン型の「透けて見える」良さを活かした置き方です。

9台(縦3台×横3台)をつなげ、背景が透けた大画面にした例(マルハン福井舞屋店)(事例を見る)
ペッパーズゴーストの特長
ペッパーズゴーストは、斜めに置いたハーフミラーや透明フィルムに映像を反射させ、その先に映像が浮かんでいるように見せる方法です。19世紀から舞台演出で使われてきた歴史のある手法で、コンサートで人物を等身大で登場させる演出などに使われます。
大きな映像を作りやすい一方で、反射板と映像の投影元(プロジェクターやモニター)を置くための奥行きと、暗めの環境が必要です。正面以外の角度からは見えにくいため、客席が正面に並ぶ舞台やシアターに向いています。
透明LED・透過ディスプレイの特長
透明LEDは、LEDの間にすき間をあけたパネルで、映像を表示しながら向こう側が透けて見えるディスプレイです。窓ガラスやショーウィンドウ全面を映像で飾りたいときに使われます。
大きな面を映像にできるのが強みですが、映像そのものは平面です。「宙に浮いて見える」ように感じさせるには、映像の作り方に工夫が必要です。
水蒸気スクリーンの特長
霧の膜をスクリーン代わりにして、プロジェクターで映像を映す方法です。映像に手を入れたり、通り抜けたりできる体験が魅力です。一方で、風に弱く屋外では映像が安定しにくいこと、水の補給や専用の機材が必要なことから、屋内の限られた場面で使われることが多い方式です。
【展示会・店舗で使うなら】
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目的別・方式の選び方
| やりたいこと | 向いている方式 |
|---|---|
| 展示会ブースで遠くから目立たせたい | ファン型(複数台をつなげる、または大型モデル) |
| 店頭・受付でロゴや商品を宙に浮かせたい | ファン型 |
| 舞台で人物を等身大で登場させたい | ペッパーズゴースト |
| 窓ガラス全面を映像で飾りたい | 透明LED |
| 映像に触れる・通り抜ける体験をつくりたい | 水蒸気スクリーン |
ファン型でも、直径約2mの大型モデルを使えば、ステージ上やブースの上部で大きな映像を見せられます。

直径約2mの3D Phantom 200zをトラス上部に設置した例(東京ゲームショウ2024)(事例を見る)
まとめ
3Dホログラムの方式は、「どのくらいの大きさで」「どこから見てもらうか」「どんな場所に置くか」で選ぶのが近道です。展示会や店舗のように、限られたスペースで、いろいろな角度から見られる場所なら、設置しやすく背景が透けて見えるファン型が使いやすい方式です。
3D Phantom®の機種ごとの違いは機種一覧・選び方でご覧いただけます。会場や演出のイメージをお伝えいただければ、方式の向き・不向きも含めてご提案します。