3Dホログラムって何?3Dに見えるメカニズムとは?
■3Dホログラムとは?
近年、AR(拡張現実)やMR(複合現実)などに注目が集まる中、3Dホログラムというワードも目にすることが増えてきているのではないでしょうか?3Dホログラムと聞くと、3Dメガネなどのデバイスがなくても「何もないところに立体的な映像を浮かび上がらせる」ことができる技術というイメージを持たれている方が多いかと思いますが、正確には、映像を立体(3D)で記録・データ化し、3Dで映し出す技術のことを指します。
少し詳しく説明すると、光は波の性質を持っており、3Dホログラムは光の振幅、波長、位相の3つを記録し、それを空間に投影することで立体的な映像を作り出します。振幅とは光の強さ、波長は光の色、位相は波の周期のどこにいるかを指します。
といってもなかなかわかりにくいと思いますので、
白黒映像:振幅のみを記録した映像
カラー映像:振幅と波長を記録した映像
3Dホログラム:振幅と波長と位相の3つの情報を記録した映像
と覚えていただけるとわかりやすいのではないでしょうか?
しかしながら、振幅・波長・位相の3つの情報を記録/再生するには高度な仕組みが必要で一般的には普及していません。
■3Dホログラム風の映像表現をもっと手軽に用いるには?
何もない空間に3D映像を浮かびあがらせる映像演出は、多くの人の驚きと注目を集めることができます。そこで、ここでは前述した3Dホログラムの映像装置を用いずとも、人の目の錯覚を利用して、3Dホログラム風の映像表現が可能なディスプレイを紹介します。
①ペッパーズゴースト型
ペッパーズゴーストとは、半透明のスクリーンに映像を透過させ、光を屈折させることで立体的な映像を投影する手法です。スクリーンの奥にある景色とスクリーンに映し出す映像を重ねることで、立体的に錯覚させる技術ですが、光の当て方や見る角度に制限が多いのがネックです。
②水蒸気型
スクリーンの代わりに光を反射する水蒸気に映像を投影して立体的な映像を映し出す手法です。水蒸気を使用しているため、風などの影響を受けやすい傾向にあります。
③ブレード型
LED光源がついたブレードを高速回転させ、残像によって立体的な映像を映し出す手法です。ブレードが高速回転すると人間の目には見えなくなるので、映像だけが浮いているように錯覚します。当社の3D Phantomもこのブレード型に分類される擬似的な3Dホログラムディスプレイです。
■3D映像の体験価値を高めるコツ
紹介した3つのディスプレイは、人の目の仕組みを利用して、見た人が3Dホログラム映像と感じられるような擬似的な映像表現を行っています。
そのため、より立体感のある映像体験を創り出すためには、ディスプレイの機能だけではなく、映像コンテンツや設置方法も重要な要素となります。
そこで、まず理解しておかなければいけないのは、人の目の仕組みです。
カメラで例えると映像を読み取るセンサーの機能を担っているのが網膜です。そして、カメラのセンサーと同様に人の網膜も2D(二次元)でしか映像を読み取ることができません。
では、なぜ普段目にするものが立体的に見えるかというと、2Dの映像から奥行きを掴むためのいくつかの手がかりをもとに脳内で立体的な映像として変換しているのです。
この奥行きの手がかりを映像やディスプレイの設置方法に活かすことで、より立体感のある映像体験の場を創り出すことができます。
そこで、ここでは複数ある奥行き手がかりのうち、主だったものについてご紹介します。
■両眼性の奥行き手がかり
奥行きを捉えるための手がかりは両眼性と単眼性の2パターンあります。
はじめに両眼性の奥行き手がかりについて説明します。
①両眼視差
人間の目は左右に離れていることから、同じ対象物を見ているときも左右の網膜には少しずれて映像が映っています。このズレを脳内で処理することにより、対象物を奥行きのある立体像として知覚させることができます。映画館などの3Dメガネを使用して投影する3D映像は、この両眼視差の効果を最大限に活かしたものです。
②輻輳(ふくそう)
両目で一点を凝視するときに両方の目の視線が交わる角度は輻輳角と呼ばれます。近くのものを見るときは、この輻輳角が大きくなり、遠くのものを見るときは小さくなり、このときの動眼筋の緊張度が奥行きの手がかりになっています。
映画館などの3Dメガネを用いた3D映像は、この両眼性の奥行き手がかりを最大限に活かしたものです。
■単眼性の奥行き手がかり
続いて、単眼性の奥行き手がかりについて、複数あるうちの7つについて説明します。
①相対的大きさ
同じ図形でも大きいものは手前、小さいものは奥にあるものとして感じさせることができます。
②重なり
図形を重ね合わせると、覆っているほうが手前、覆われている方が奥にあると感じさせることができます。
③線遠近法
絵画でよく使われる技法で、一点から線を引くことで奥行きを感じさせることができます。
④きめの勾配
一様の模様を用いて、奥にあるように見せたいところのキメを細かくすることで、粗いところが手前、細かいところが奥と感じさせることができます。
⑤色の濃淡・陰影
手前に見せたい部分を淡く、奥に見せたい部分を濃くし、陰影をつけることで立体感を感じさせることができます。
⑥運動視差
観察者が移動している場合、ある対象を注視すると、注視対象よりも遠くにある対象は、観察者と同じ方向に移動しているように見え、注視対象よりも近くにある対象は、観察者とは逆方向に動いているように見えることを奥行きの手がかりにしている。(電車の車窓から景色を見るときをイメージするとわかりやすいかと思います。)
⑦大気(空気)遠近法
空気の作用によって、物が遠方にゆくに従って色が青さを増し、色の彩度が減少し、物の輪郭が不明瞭になることを活かして、奥行きを感じさせることができます。
■パートナー選びが3D映像体験のキーポイント
3Dホログラム風の映像を映し出せるディスプレイを用意しさえすれば、3D感溢れる映像体験を創り出せるわけではありません。見た人を魅了する3D映像の体験価値を高めるためには、映像制作やディスプレイの設置方法などについて豊富な経験やノウハウをもったアドバイザーの存在が必要不可欠です。
■ブレード型3Dホログラムディスプレイの相談はLife is Styleまで
3Dホログラム映写機の国内導入社数No1の実績をもつ当社には、3D Phantomの設置から映像制作まで一気通貫でサポートする専門スタッフが揃っています。
ブレード型の3Dホログラムディスプレイの導入を検討される際は、当社までお気軽にご相談ください。
▼ご質問・お問い合わせはこちら▼